【11月14日 AFP】新酒ワイン「ボジョレー・ヌーボー(Beaujolais Nouveau)」が15日に世界各地で解禁される。今年からはロゼも数量限定で発売されるが、ボジョレー人気の高い日本での売れ行き低迷やユーロ高、原油高を背景に、フランスからの輸出減少が懸念されている。

 ボジョレー・ヌーボー人気の火付け役となったジョルジュ・デュブッフ(Georges Duboeuf)氏の息子で、フランスのワイン醸造大手経営者のフランク・デュブッフ(Franck Duboeuf)氏は「2007年のフランス国内からの注文はおおむね安定しているが、輸出はやや減少している」と語る。

 ジョルジュ氏は1970年、できたばかりで熟成されていない初出荷ワインに「新しいボジョレーが到着しました」という小さなメッセージを付けてパリ(Paris)に出荷するというアイデアを思い付いた。以降、1998年にはフランスで過去最高の売り上げとなる6200万本を記録するほどの人気となった。

■ユーロ高で価格上昇

 日本は、時差の関係から世界で最初にボジョレー・ヌーボーが味わえることもあり、世界最大の輸入国となっている。2006年の売り上げは1100万本に上ったが、ピークの2004年の1250万本からは減少した。

 飲料大手アサヒビール(Asahi Breweries)によると、今年の輸入はさらに20%減少し、840万本になる見込みだという。同社広報はブームが一段落し、需要は落ち着いてきたと指摘する。

 フランスのワイン醸造業者団体ボージョレーワイン委員会(Inter Beaujolais)も日本市場での10-15%の売り上げ減少を見込んでいる。

 昨年はボジョレーの売り上げの47%を輸出が占めたが、今年の輸出はユーロ高や原油高が懸念材料になっているとフランク氏はいう。

 アサヒビールによると、日本での今年の販売価格は約5%上昇し、1本当たり2500円程度になるという。飲料大手サントリー(Suntory)も、ユーロ高がボジョレーの売り上げに悪影響を及ぼすと指摘する。

 一方、国産食品・農産物の輸出を促進する仏政府機関「フランス食品振興会(Sopexa)」は、売り上げが20%減るという予想は悲観的すぎるとの見方だ。

■今年のボジョレーはラズベリー風味

 今年のボジョレー・ヌーボーは軽く、ラズベリーの風味を感じるという。

 2007年ものの最初のボジョレー・ヌーボーは東京(Tokyo)、名古屋(Nagoya)、大阪(Osaka)で開けられる。中国では、北京(Peking)、上海(Shanghai)で試飲会が開かれる。

 米国では19回目のボジョレー・ヌーボー祭りがダラス(Dallas)、サンフランシスコ(San Francisco)、ロサンゼルス(Los Angeles)、フィラデルフィア(Philadelphia)など全米各地で開かれる。(c)AFP/Sarah Dawalibi