【11月14日 AFP】仏鉄道会社の労働者らは13日、無期限のストライキに突入した。ニコラ・サルコジ(Nicolas Sarkozy)大統領が公約する改革を巡り、組合と大統領の対決が始まった。

 現地時間午後8時(日本時間14日午前4時)にストに突入したフランス国鉄(SNCF)を皮切りに、今後はパリ市内の地下鉄やフランスガス公社(GDF)、フランス電力公社(EDF)へと広がる見通し。

 パリ市交通公団(RATP)やSNCFの経営陣によると、通常700本の高速鉄道TGVの運行が、現在は90本のみ。パリ市の公共交通機関は混乱しており、地下鉄はほぼ全面運休となっているという。

■サルコジ大統領は決意を再表明

 スト開始数時間前にはサルコジ大統領が、自身には改革制定の権限があるとして、経済改革を「最後まで」実行すると改めて決意表明している。

 大統領報道官によると、サルコジ大統領はSNCF、RATP、EDF、GDFの代表を集めて話し合い、「今後の状況と見通しについて判断」したという。

 労組側は無期限のストライキを呼び掛けており、来週には公務員や教師なども抗議活動に参加する見通しで、経営陣らは大規模な混乱に陥ると予測している。

■争点は年金問題、大学改革で学生らもデモ開催

 争点は現在の年金制度で一部公務員に認められている50歳からの退職についてだ。現在、給付金が不足していることにより、国から年間50億ユーロ(約8110億円)が特別年金基金に注入されている。

 政府は1995年にも特別年金改革を実行しようとしたが、3週間に及ぶストとデモにより、ジャック・シラク(Jacques Chirac)前大統領は断念を余儀なくされた。

 世論調査によると、サルコジ大統領が提唱する改革には多くが賛成しているという。

 また、国内85校のうち約20校でも、大学改革に反対する大学生らが学校を封鎖している。パリ第10大学(Paris X University)では、フランス警察当局が警棒や催涙ガスを使用して学生デモの解散を試みた。(c)AFP/Carole Landry