【11月8日 AFP】米消費者製品安全委員会(Consumer Product Safety CommissionCPSC)は7日、カナダの企業が販売した中国製のビーズの玩具、420万個の自主回収を発表した。有害物質が含まれており、子どもが誤飲すると昏睡(こんすい)状態に陥る恐れがあるという。

 自主回収が始まったのはカナダのトロント(Toronto)に本社を置くスピン・マスター(Spin Master)が、中国で委託生産し今年4月から11月まで販売したビーズ玩具「アクア・ドッツ(Aqua Dot)」で、同製品を誤って飲み込んだ子ども2人が昏睡(こんすい)状態に陥っている。

 ビーズの表面には加水すると粘着性が生じる化学物質が使用されており、多量に体内に摂取すると毒性を持つとのことで、誤飲により昏睡(こんすい)状態に陥ったり、呼吸障害を発症したり、発作を起こしたりする恐れがあるという。

 CPSCはこの化学物質を特定しなかったが、同日、オーストラリア当局が同国内で販売禁止とした類似の中国製玩具には、飲み込むと体内で、いわゆるデートレイプ薬の「GHB」に似た物質が放出されることが明らかになった。

 禁止対象となったのは「ムース・エンタープライズ(Moose Enterprise)」が販売する中国製のビーズ玩具「ビンディーズ(Bindeez)」で、同国では玩具に使用されていたビーズを飲み込んだ子ども3人が昏睡(こんすい)状態に陥り病院に運ばれた。

 同社では、子どもたちの健康が何よりも大切だとして急きょ自主回収を発表し、政府当局と協力して対応を進めていると説明した。

 ビンディーズは水を吹き付けるとさまざまな形の作品を作ることができる。毒性のない接着剤で表面を覆うように作られていたはずだったが、GHBが検出された。

 また、CPSCはビーズ以外に、安全性に対する懸念から、表面に基準値を超える鉛を含んだ塗料が使用されているとして中国製の玩具40万個近くの自主回収が始まったと発表した。

 大半がミニチュアカーで「Pull-Back Action Toy Cars」38万個と「Dragster and Funny Car」7500個。そのほかでは、ブリキのロボット「Robot 2000」約2600個が自主回収されている。なお、含鉛塗料を使用したこれらの玩具による健康への被害は報告されていない。(c)AFP