【10月30日 AFP】記録的なユーロ高および原油高について、複数のアナリストは、経済のファンダメンタルズと投機的な関心が相まってこうした傾向は今後も続くとみている。

 29日午前のユーロ為替相場は、一時1ユーロ=1.4438ドルと最高値を記録。背景には、米連邦準備制度理事会(Federal Reserve BoardFRB)が今週、サブプライム問題対応で前月に引き続き利下げするとの期待感がある。利下げ幅は「0.25%以上」というのが大方の見方だ。

 利下げが行われた場合、輸出に依存する日本や中国が利益確保に走り対ドルユーロ高が進行するとみられる。アナリストは、一層のユーロ高を招く利下げは、原油高に伴うインフレの収拾が最優先課題となっている欧州中央銀行(European Central BankECB)にとっては論外だとみる。

 原油高もとどまる気配がない。ここ数週間で米原油先物は1バレル90ドルを突破。ドル安が拍車をかけ、100ドルを超えるのも時間の問題とみられている。

 コンサルタント会社PetrostrategiesのPierre Terzian氏は、原油高は潤沢な資金を持った機関投資家や個人投資家に絶好の買い場を与えていると指摘する。「ドル安と株式市場の不振の中、住宅ローン市場に回るはずの資金が原油先物に流れており、結果的に投機資金やヘッジファンドが原油市場を独占している」という。

 石油輸出国機構(OPEC)は、原油が十分供給されている中での価格急騰は投機売買を反映したものだと主張し、11月1日からの日産50万バレルの増産以降の追加増産については今のところ検討していないとしている。(c)AFP/Veronique Dupont