【10月18日 AFP】中国で2007年末までに全人口13億人中、34万5000人が富裕層となるとの見通しを、米投資銀行メリルリンチ(Merrill Lynch)が18日、発表した。アジアでは日本に次ぐ富裕層人口となる。

 同銀がコンサルティング会社キャップジェミニ(Capgemini)と共同で行った調査によると、過去12か月で株価が130%も急騰したことなどに押され、資産百万ドルを超える中国人人口は前年よりも7.8%増加した。

 メリルリンチ幹部のFrancis Liu氏は「中国経済は2006年、輸出の急成長や国内消費の増加によって新たな好景気に突入し、株式市場からの収益によって、多くの富裕層の資産や持ち株の価値がさらに上がった」と分析する。

 中でも「超級富人」と呼ばれる、金融資産3000万ドル(約35億円)以上の超高額個人資産家(Ultra-High Net Worth IndividualsUltra-HNWIs)に数えられる個人が、4935人いるという。

「中国の急激な経済成長の背景には、超高額個人資産家が同国に集中していることがある」とキャップジェミニ幹部のDirk Chanmueller氏はいう。「アジアの超高額個人資産家のうち、28%以上は中国人だ」。前週に発表された「中国の年間富豪ランキング」2件でも、非常に裕福な層の爆発的増加が示された。

 上海の経済誌「胡潤百富(Hurun Report)」が発表した富豪ランキングによると、現在、中国には億万ドル規模の資産家が106人いる。

 富豪番付の発表と同時期に北京で開催されていた中国共産党の党大会では、国内の貧富の格差拡大が主要議題として挙がっていた。(c)AFP