2007年9月26日、フランスのメドック(Medoc)で、ワインの試飲をする米国人旅行客。(c)AFP/PATRICK BERNARD
【10月19日 AFP】このままでは、フランスのボルドー(Bordeaux)やイタリアのバローロ(Barolo)のワインは「高嶺の花」になってしまうかもしれない--。ドル安が急速に進み欧州産の輸入ワインの値上げが続いている米国では、ワイン愛好家たちがこんな不安に怯えているという。だが、ワインの専門家らは「心配することはない」との見方を示している。
「ドルが弱くなると、欧州からのワインの輸入が減少すると考えがちだが、国内には根強いワイン需要があり、今後10年で市場はさらに拡大するはずだ」と語るのは、カリフォルニアに拠点を置くワインコンサルティング会社Gomberg-Frederikson社のJon Frederiksonさん。「欧州と比べるとまだまだ消費量は少ないが、米国ではワインがようやく市民権を得つつある。(輸入ワイン)の売り上げが増加する可能性は極めて高い。海外企業は米国の顧客開拓をねらっているので、為替差損で輸入が滞ることはないだろう」
■米国は世界で屈指のワイン市場に
国産食品・農産物の輸出を促進する仏政府機関、「フランス食品振興会(Sopexa)」の統計によると、2006年前半のユーロ対ドルは平均1ユーロ=1.206ドルだったが、2007年前半は1ユーロ=1.316ドルとなり、約9%の変化がみられた。同時期に仏産ワインの米国への輸入量は2.8%増となったが、輸入額は4.2%減(ユーロ換算)となった。
他の主要な国からのワイン輸入も、今年前半は増加の傾向にあるという。量的には最大輸入相手国であるイタリアの場合、輸入量が前年比11%増。また、前年度の輸入額では最大の輸入相手国だったフランスは、輸入量が前年比10%増となっている。ドイツ・ポルトガル・スペインも増加の傾向にある。
カリフォルニアの「Wine Business Monthly(月刊ワイン・ビジネス)」のCyril Penn編集長も、「ユーロ高にもかかわらず米国の輸入量は増えており、米国は世界で屈指のワイン市場になりつつある」と指摘している。
■ドル安で米国産ワイン、欧州で人気に?
欧州では米国産ワインに対する抵抗がまだまだ根強い。だが、このドル安によって米国産ワインの価格が手ごろになった結果、顧客層が増えるのではないかと見る専門家もいる。ドル安により、欧州での米国産ワインは欧州産と同じ価格帯の、2.99ユーロ(約490円)から6.99ユーロ(約1150円)で売られるようになり、売り上げが増加するというのだ。英国内では、対ポンドのドル安により米国産ワインの売り上げも増え、米国産ワインの消費量は31%増加しているという。(c)AFP

