【10月4日 AFP】ロシア国営ガス会社ガスプロム(Gazprom)は3日、ウクライナ政府とのガス料金の未払い問題に関して、同政府との間で合意が成立したと発表した。これによってロシアは、欧州で高まっている同国からの天然ガス供給に対する不安を和らげようとしていると見られる。

 ガスプロムは、ウクライナ政府から派遣されたユーリー・ボイコ(Yuriy Boyko)燃料エネルギー相との協議後、声明を発表し、今回の合意によって「現在のウクライナ政府が、問題解決に責任をもつ」とした。

  欧州諸国では、2006年のガス供給停止によって生じた混乱が再び繰り返されるとの懸念が高まったが、ガスプロム幹部は、露メディアに対し「欧州の消費国にとって、心配する必要は全くない」と語った。

 ウクライナのボイコ燃料エネルギー相は「事態は近いうちに沈静化するだろう」と語ったとされ、解決が間近であるとの見解を示している。

 ガスプロムは2日、未払いになっているガス料金13億ドル(約1500億円)をウクライナ政府が今月中に支払わなければ、同国へのガス供給を削減すると警告していた。

 ロシアから輸出される天然ガスの約80%は、ウクライナを通って欧州諸国に供給されている。(c)AFP/Nick Coleman