【9月29日 AFP】世界的な供給の落ち込みを受け、今週の市場では原油価格が高値を更新した。

■ドル下落が原油高騰に拍車

 ドルの下落による自国通貨昇で各国投資家らが原油など商品を積極的に買い求めたことも、これら商品のドル建て価格上昇の一因となった。

 ディーラーの話によると、米国の追加利下げ観測の広がりがドルの売り圧力を強めユーロは28日、初となる1.42ドル台の高値で取引された。

 ニューヨークの先物市場でも米国産標準油種WTIが前週には、84.10ドルの最高値に達している。

 米連邦準備制度理事会(US Federal ReserveFRB)は18日、政策金利の誘導目標を予想を上回る0.50%引き下げ4.75%にしたばかり。

 ロンドンの北海ブレント先物は28日、1バレル81.05ドルと最高値を更新した。27日の北海ブレント先物の大幅上昇の背景には、メキシコ湾を中心とした悪天候による生産減少懸念があったとされる。

■ドル安の影響は金市場にも

 金もまたドルの下落を受け、28日のロンドン自由金市場の金塊相場は1980年1月以来約28年ぶりの高値となる1オンス745.84ドルまで上昇した。

 プラチナは28日、ロンドン市場で1オンス1386.00ドルまで上昇。2006年11月の高値1402.50ドルに迫る。

 非鉄金属も鉛がロンドン市場で市場最高値を更新するなど高騰を続けている。鉛は、埋蔵量の減少とオーストラリアの鉱石積出港エスペランス(Esperance)の貯水池などで高濃度の鉛が発見され、鉛汚染の調査が開始されたことを受け、積み出しの減少が懸念された。

 バークレイズ・キャピタルのアナリストは、「強い需要と不足気味の供給およびドルの下落が非鉄金属の価格を押し上げている」と話す。

 今週ニッケルは下落したものの、銅、アルミ、亜鉛、スズなどは軒並み上昇した。(c)AFP/Delphine Dechaux and Ben Perry