【9月25日 AFP】大干ばつに見舞われているオーストラリアで、2008年のワイン生産量が例年の半分以下になる恐れが出てきた。24日、業界関係者が予測値を明らかにした。

 この予測によれば、生産量は例年の190万トンから80万-130万トンに減少する見込みという。

 業界団体Wine Grape Growers Australiaのマーク・マッケンジー(Mark McKenzie)氏は、「時期が来ればさらに予想を絞り込むことができるでしょう。しかし、マレー・ダーリング(Murray Darling)からのかんがい用水に大幅に依存している地域では、生産量は間違いなく激減するでしょう」と語った。

 南東部に位置するマレー・ダーリングは、オーストラリアの重要な食物生産地で、同国の農業生産量の41%以上を産出している。

 マッケンジー氏は、800-1000人のワイン生産者が廃業に追い込まれる恐れがあると語った。

「彼らは一文無しです。水を買う資金もなく、借入も限度額に達してしまい、本当に危い状況です」

 ジョン・ハワード(John Howard)首相は前週、マレー・ダーリングの現状を「正真正銘の危機的状況」だとし、干ばつにより同地域の果樹園やブドウ園が全滅してしまう危険性もあると警告を発した。

 オーストラリアのワイン輸出額は、7月までの12か月間で300万豪ドル(約3億円)という記録的数字をたたき出したばかり。さらに、オーストラリアワイン&ブランデー公社(Australian Wine and Brandy Corporation)が発表した数字によれば、同期間のワインの輸出量は、史上初めて8億リットルを超えている。(c)AFP