【8月23日 AFP】百貨店大手の三越(Mitsukoshi)と伊勢丹(Isetan)は23日、両社の経営統合を発表した。これにより、売上高で国内最大の百貨店グループが誕生する。高齢化と人口減少が進行し、長引く不況で消費が鈍る中、激化する百貨店業界の競争での生き残りを目指す。

 両社は来月に株主の承認が得られれば、来年4月1日付で共同持株会社「三越伊勢丹ホールディングス」を設立して経営統合することで合意したと発表。共同持ち株会社の本社は東京・銀座に置かれ、両社の店名はそのまま維持される。

 両社の提携は、郊外型ショッピングセンターの台頭に苦しむ百貨店業界再編の直近の動きとなる。

 三越の石塚邦雄(Kunio Ishizuka)代表取締役社長は「顧客の要望をスピーディーに把握し、応えていくためには、経営統合を行うことが最良の選択であるとの結論に至った。両社は、お互いの歴史や企業文化を理解し尊重しつつ、各々が有する強みを活かすことにより、『世界随一の小売サービス業グループ』となることで社会に貢献していきたい」と語った。

 一方、伊勢丹の武藤信一(Shinichi Muto)代表取締役社長執行役員は「東京発祥の百貨店同士の統合で、東京という巨大市場に存在感がしっかりもてる」と述べた。

 共同持株会社では、武藤氏は代表取締役会長兼最高経営責任者(CEO)、石塚氏は代表取締役社長兼最高執行責任者(COO)に就任する予定。

 統合比率は、伊勢丹、三越の株式1株に対し、共同持株会社の株式1株、0.34株をそれぞれ割り当てる。(c)AFP