【8月22日 AFP】信用力の低い個人向け住宅ローン(サブプライムローン)の焦げ付き問題が米国の住宅産業に深刻な信用不安をもたらす中、住宅金融ソーンバーグ・モーゲージ(Thornburg Mortgage, Inc.)は20日、205億ドル(約2兆3443億円)相当の資産を売却したと発表した。

 ニューメキシコ(New Mexico)州サンタフェ(Santa Fe)に拠点を置き、全国的に事業を展開するソーンバーグは、サブプライムローン問題で打撃を受けた同社の財務状況を改善するためモーゲージ担保証券を大量に売却したが、買い手については明らかにしなかった。

 一方で、ワシントンD.C.(Washington D.C.)付近に拠点を置く大手の銀行兼金融会社キャピタル・ワン・ファイナンシャル・コーポレーション(Capital One Financial Corporation)は、傘下にある住宅金融会社グリーンポイント・モーゲージ(GreenPoint Mortgage)の閉鎖を発表。閉鎖に伴う費用は8億6000万ドル(約982億円)で、1900人の解雇も行うという。

 また、数日前には、全米最大の住宅金融会社カントリーワイド・フィナンシャル(Countrywide Financial Corp.)が、財務状況を改善するために全米40の銀行から115億ドル(約1兆3000億円)を借り入れしたことを明らかにしている。

■問題の指摘されるサブプライムローン

 米住宅市場の焦げ付き問題は、抵当流れの急増や信用不安を引き起こし、住宅金融業界を苦境に陥らせている。

 財政的基盤が脆弱な消費者を対象にしたサブプライムローンの貸付は、全米が住宅ブームに沸く中で拡大したが、そのブームも2006年の早い時期に終焉を迎えたとされている。

 米連邦議会下院の金融委員会委員長で民主党員のバーニー・フランク(Barney Frank)議員は、数兆ドル産業の住宅金融に対する監視強化の必要性を主張する。

 議員からは、住宅ブームの間に販売された住宅ローンの多くは詐欺的な商品で、購入してから数年後に金利が急激に上がることすら理解していない消費者が多いと指摘する声も上がっている。(c)AFP/Justin Cole