東京の東芝(Toshiba)のビル(2006年10月31日撮影)に掲げられたロゴマーク。(c)AFP/YOSHIKAZU TSUNO
【8月13日 AFP】東芝(Toshiba)は13日、子会社の米原子力大手ウェスチングハウス(Westinghouse Electric、WH)の株式10%を、カザフスタン国営のエネルギー企業カズアトムプロム(Kazatomprom)に売却することで合意したと発表した。売却額は、5億4000万ドル(約640億円)。
ウラン資源を豊富に埋蔵する旧ソ連圏のカザフスタンとの関係強化により、原子力発電用ウランの安定供給を図る狙いがある。
東芝は「国際資源開発で指導的立場にあるカズアトムプロムをウェスチングハウスの投資者として迎えることで、原子力エネルギー事業における国際展開を強化する」という。両者は幅広い分野で協力に合意、共同事業に関する協議を始める。
東芝は2006年、英国原子燃料会社(British Nuclear Fuels)からウェスチングハウス株の77%を取得するため、約41億6000万ドル(約4900億円)を投資した。米国では地球温暖化防止の観点などから原子力発電への関心が高まっているため、株式取得額は当初予想の2倍以上に達した。
中国やインドなど新興経済国を中心とするエネルギー需要の高まりを背景に、各国のエネルギー業界は原子力発電用の燃料確保競争に躍起だ。日本は現在、主にオーストラリアとカナダからウランを輸入している。
東芝によると、通常の承認手続きが進めば、ウェスチングハウス株のカズアトムプロムへの移行は約1か月で完了するという。売却後同社株の配分は東芝が67%、米ショー・グループ(Shaw Group)が20%、カズアトムプロムが10%、石川島播磨重工業(IHI)が3%を保有する。
一方、株式売却が承認された場合、米国で異議が唱えられる可能性もある。米国では、ウェスチングハウス株のカザフスタンへの売却を阻止するよう、環境活動家のグループらが政府に働きかけてきた経緯があるからだ。
米国では、原子力技術を保有する米国企業の株を外国企業が取得する場合、政府承認が必要とされる。日本経済新聞の前月の報道では、米政府当局は今回の取り引きには何も問題がないとの見解だという。(c)AFP

