2007年8月7日、フィリピンのマニラ(Manila)の市場で野菜を買う女性。(c)AFP/Jay DIRECTO
【8月8日 AFP】日照りが続くフィリピン北部では、作物が被害を受けているほか、発電も困難な状況に陥っている。また、物価が上昇して貧困家庭を直撃し、インフレへの懸念も膨らんでいる。
■コメ、トウモロコシ農家で大きな被害
関係当局によると、北部では雨季にあたる6-7月の雨量が平年を下回り、12万7000ヘクタール以上の農地で被害を受けた。「雨が降らない状態が9月まで続くと干ばつ状態になる恐れがある」と気象当局は警告している。
中でも灌漑用水を雨期の降雨に頼る、コメとトウモロコシを栽培する農家で被害が大きくなっている。農業省は、今年上半期のトウモロコシの生産高が目標値を下回り、通年の生産伸び率の目標達成が困難になったとの見解を示した。
前回1998年の日照りでは、国土の68%が被害を受け、生産高はコメが43.6%、トウモロコシが26.6%減少し、農業全体でも6.6%の減となった。
ただし、ココナッツやバナナ、パイナップルを栽培している中部や南部では平年並みの降雨量で、北部での損失が埋め合わせられる見通しだ。
フィリピンでは、全労働力の35%にあたる1900万人が農業に従事しており、また人口の40%にあたる1日2ドル(約237円)以下で生活している人々の大半が農業従事者だ。
■電力供給にも影響
一方、発電も水不足の影響を被っている。首都マニラ(Manila)では前月、川が干上がった影響で水力発電所の操業が停止したため停電が頻発した。
公益事業各社は現在、16日からマニラへの給水量削減を検討している。また空軍は、人工的に雨を降らせる作戦を展開している。
■経済全体への影響でインフレへの懸念も
国家経済開発庁(NEDA)の高官は、2007年の経済成長率の目標値6.1%を下方修正する予定はないとした上で、日照りが続けば食品価格が高騰するとの懸念を示した。また、灌漑工事への補助金増加や、水をあまり必要としない作物への転換促進など、被害を受けた農家への緊急援助を行うことを明らかにした。
また、7月の消費者物価は少雨による食品価格の高騰を受けて2.6%上昇しており、政府当局や経済学者らはインフレの再来に注意を促している。(c)AFP/Cecil Morella






