2007年8月1日、米メディア大手ニューズ・コーポレーション(News Corp.)によるダウ・ジョーンズ(Dow Jones、DJ)買収を皮肉ったパロディ記事を配る市民団体「ムーブ・オン(MoveOn)」のメンバーと、受け取るウォールストリート・ジャーナル(Wall Street Journal)のスタッフたち。米国ニューヨーク市の同紙編集部前で。(c)AFP/TIMOTHY A. CLARY
【8月2日 AFP】米メディア大手ニューズ・コーポレーション(News Corp.)が米新聞大手ダウ・ジョーンズ(Dow Jones、DJ)を約50億ドル(約6000億円)で買収することが決まったことに伴い、DJ傘下の主要経済紙ウォールストリート・ジャーナル(Wall Street Journal)もニューズ傘下となることが決定し、DJ社内部では1日、同紙の編集方針への影響を懸念するなど複雑な反応が広がった。
ニューズを率いる米国のメディア王、ルパート・マードック(Rupert Murdoch)氏(76)が今年5月、ダウ・ジョーンズの創業者で大株主であるバンクロフト(Bancroft)一族に買収を提案して以来、ウォールストリート・ジャーナルの編集者たちは買収を阻止しようと経営陣に働きかけてきた。
「ジャーナリズムの暗澹たる将来を心配している」。AFPの取材に対し、同紙のある記者はこう語った。
「ジャーナリストではない、化粧品業界出身のリチャード・ザンニーノ(Richard Zannino)氏が最高経営責任者(CEO)に任命されて実権を握ってから、バンクロフト家の主導権はそれなりに縮小してしまった。ザンニーノCEOの価値観は、株主と自分自身への配当を増やすことであって、ジャーナリズムに基づくものではない」と同記者は述べる。抗議を表すため、購読をやめる読者もいたという。
DJ内部の編集者たちからは、ニューズによる買収攻勢が始まって以降、編集の公正性に対する影響を懸念する声が上がっていた。
ニューズ傘下に入った米タブロイド紙ニューヨーク・ポスト(New York Post)や英タブロイド紙サン(Sun)、米フォックス・ニュース(Fox News)などは、報道方針が「ワイドショー的」だとして批判の対象になってきた。
編集者らの懸念に対応するため、ウォールストリート・ジャーナル紙は、編集基準の維持に関する特別委員会の設置を約束している。
同紙発行人Gordon Crovitz氏は1日、読者に対する公開書簡の中で、心配することは何もないと伝えた。「読者にこれだけは信頼してもらいたい。株主が変わっても、正確性、公平さ、権威性において本紙は変わらないということだ」(c)AFP