
【7月29日 AFP】国際通貨基金(International Monetary Fund、IMF)は28日、1997年のアジア金融危機から10年を迎えるタイの経済について、力強く堅調なファンダメンタルズを備えていると評した。
IMFのロドリゴ・デ・ラト(Rodrigo de Rato)専務理事は、タイの首都バンコク(Bangkok)市内での記者会見で、「タイの経済活動の拡大は穏やかになったが、マクロ経済を取り巻くファンダメンタルズは国際収支の黒字、持続維持可能な財政状態、低いインフレ率に裏付けられ堅調が続く」と述べ、同国の経済が力強く推移しているとの認識を示した。
ラト専務理事はさらに、「年内に総選挙が行われれば、国内需要の高まりから消費意欲と企業の景況感はさらに強まる」との見方を示した。
前年の軍事クーデターで発足した軍事政権は、新憲法を8月に国民投票にかけた後、今年末に総選挙を行うことを約束している。
タイの株式市場が27日に2%以上下落し、資金流入の拡大からタイの通貨バーツ(baht)が米ドルに対し10年来の高値を付けるなか、ラト専務理事はタイの高官らと市場の乱高下などについて協議した。
タイ財務省によると、7月の同国への資金流入はすでに10億ドル(約1200億円)相当を超えたというが、資金流入の急増への対応には苦慮しているという。
ラト専務理事はこれに対し、「タイや東南アジア諸国が金融危機に陥る理由は現在見当たらない。市場の乱高下は問題ではあるが、乱高下で危機が常に発生するということではない」と述べ、堅調な輸出など力強いファンダメンタルに裏づけされた資金流入の拡大がタイ経済に直接危機をもたらすことはないとの見方を示した。
タイは1997年、バーツの変動相場制への移行を余儀なくされると株価が大暴落し、債務不履行回避のためにIMFによる170億ドル(約2兆円)規模の支援融資を受け入れた。
クーデター発生後の政治的不安定がタイ経済にマイナス影響を与え続けるなか、同国の中央銀行は27日、消費者支出の伸びが予想されるとして、3.8~4.8%としていた今年の経済成長見通しを4.0~5.0%に引き上げた。(c)AFP



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