【6月25日 AFP】世界経済フォーラム東アジア会議(World Economic Forum on East Asia)は25日、会期2日目を迎え、世界で重要な役割を果たすため、アジア諸国には技術革新(イノベーション)の文化を育成する必要があるとの意見が出された。

 冷戦終了後の競争は知識や技術分野で展開しており、その2点が世界のトップ水準にあり続けようとする各国に求められる条件となっているためだという。

 WEFの最新調査によると、アジア諸国は地位を向上させつつあるが、各国別の国際競争力でトップ10に入っているのはシンガポールと日本の両国だけだった。

 会議では、国民の創造性を育む上で政府の果たす役割が重要になるとの指摘も行われている。

■会議初日の議論

 世界経済フォーラム東アジア会議は24日、シンガポールで開幕した。

 会議初日には、経済界の指導者などから、経済力の増したアジア諸国は、地球温暖化対策など世界的な問題に結束して取り組み、国際社会で主導的役割を果たして行かなければならない、との意見が出された。

 また、同会議に合わせて行われた記者会見で日産自動車のカルロス・ゴーン(Carlos Ghosn)社長兼CEOは、アジア地域の指導的役割に期待を表明。「世界には確立された認識がある。それは、21世紀は成長するアジアの指導力を目にすることになる、というものだ。この2日間の会議の目的の1つは、アジアの指導力とその意味について話し合うことだ」と述べた。

 同氏はまた、アジアは経済的成功をおさめる一方で、国際社会からは依然として世界的な問題に取り組むための共通した土壌が欠如していると受け止められていると指摘。「日本、中国、インド、韓国、東南アジア諸国について考えた場合、世界の目には、これらの国々が共有しているものは十分でないと映っている。世界は、これらの国々が1つの協議事項、特に世界が抱えるのと同じ懸案事項に取り組むための協議事項を共有できるのか知りたがっている」と述べ、アジア地域が結束して世界との共通問題に取り組んでいく必要性を説いていた。(c)AFP