写真は北京(Beijing)の人民大会堂で談笑する中国の胡錦濤(Hu Jintao)国家主席(右)とヘンリー・ポールソン(Henry Paulson)米財務長官(2006年9月22日撮影)。(c)AFP/Elizabeth DALZIEL
【ワシントンD.C./米国 14日 AFP】米商務省が13日に発表した2月の貿易収支によると、対中国の貿易収支が改善したことから、赤字額はわずかながら縮小した。一方で、一部のアナリストは「米国の輸出の鈍化が、世界経済の成長に影を落とす可能性がある」との見方を強めている。
■貿易赤字増加は一段落か
2月の赤字額は584億ドル(約6兆9400億円)となり、1月の589億ドル(約7兆226億円)から縮小した。この数字はアナリストの市場予想の平均605億ドルを若干下回るものとなった。
これにより、2007年度の年初2か月の赤字額の合計は1173億ドル(約14兆円)となり、2006年に比べ9%の改善がみられたことから、これまでにない巨額の貿易赤字の増加傾向に歯止めが掛かったのではないかとの期待が広がっている。
全体の輸入は前月比1.7%減の1824億ドル(約21兆7475億円)。一方輸出は前月比2.2%減の1240億ドル(約14兆7845億円)だった。
■対中貿易赤字は小幅ながら改善
2月の対中赤字は、前月比13.3%減の184億ドル(約2兆1940億円)となったものの、依然として月間の総赤字額の約3分の1を占めている。米国の対中輸出は前月比6.1%増となる46億3000万ドル(約5520億円)で、一方、中国からの輸入は10%減の230億ドル(約2兆7430億円)となった。
対中貿易の図式は改善したが、対日赤字は前月比8.6%増の70億6000万ドル(約8418億円)に拡大した。内訳は、前月比3.6%減となる48億ドル(約5723億円)の対日輸出と、前月比3.3%増加となる119億ドル(約1兆4190億円)の対日輸入。
対欧州連合(EU)は前月比2.2%減の64億ドル(約7630億円)となり、対カナダは前月比29%減の48億ドル(約5723億円)だった。
赤字縮小となったもう一つの要因として、原油価格の下落も大きい。これにより原油輸入にかかわる代金の支払いによる赤字は2005年6月以来の水準に低下した。2月の平均原油購入価格は1バレル50.71ドル(約6046円)だったが、その後の原油価格高騰は赤字が再び拡大する可能性を示唆している。
■米国の輸出入減は世界経済の鈍化への兆しか
ワコビア証券(Wachovia Securities)のエコノミストJason Schenker氏は、米国の赤字額縮小を予想していた。Schenker氏によれば、2月の貿易収支は輸出入双方の減速を示し、「これは世界経済減速の兆しかもしれない」と話す。
Fact and Opinion EconomicsのRobert Brusca氏も、通貨ドルが下落したにもかかわらず米国の輸出は弱いと、この見方に同調する。「米国の輸出の伸び悩みは世界経済の鈍化が要因と結論づけなければならない」との見解だ。
「数々の欧州経済への強気な見方や、国際通貨基金(IMF)が最近公式発表した経済見通しもあるが、結局のところ、真の試金石である米国の輸出によって、世界経済が減速しているのか否かが見極められる」とBrusca氏は主張する。
写真は北京(Beijing)の人民大会堂で談笑する中国の胡錦濤(Hu Jintao)国家主席(右)とヘンリー・ポールソン(Henry Paulson)米財務長官(2006年9月22日撮影)。(c)AFP/Elizabeth DALZIEL