写真は3日、在バンコク日本大使館前でプラカードを掲げ、EPA締結に抗議する活動家。(c)AFP/PORNCHAI KITTIWONGSAKUL
【東京 3日 AFP】安倍晋三首相は3日、都内で行われた式典で、タイとの経済連携協定(EPA)に調印した。
同協定によると、10年以内に両国間の貿易の90%以上について関税が撤廃されることとなり、外務省は「EPAの締結によって両国の経済活動が活発化するとともに、輸出入や投資の自由化が加速する」との見通しを発表している。
■EPA締結で外国人投資家の信頼回復狙う
スラユット・チュラノン(Surayud Chulanont)首相政権は前週、日本とのEPA締結を承認。2006年のクーデター以後、タイの保護貿易政策をめぐって外国人投資家の間には警戒感が残るが、最大の投資国である日本とのEPA締結によって、外国人投資家からの投資を促す構えだ。
日タイ間のEPAをめぐる協議は当初、2006年9月のクーデターで追放されたタクシン・シナワット(Thaksin Shinawatra)元首相との間で進められていた。米タイ間の自由貿易交渉はクーデター以後行き詰まりを見せ、スラユット首相の欧米諸国訪問は首相就任以来、1度も実施されていない。
一方で、日タイ間には歴史的に政治、経済両面でのつながりが存在している。多数の日系企業が首都バンコク(Bangkok)をアジア地域における中核地点として利用しているためだ。
スラユット首相は12月の選挙実施を約束しているが、日本政府はタイの民主主義をめぐる懸念に目をつぶっているわけではないという。外務省高官はAFPの取材に対し、「安倍首相は、スラユット首相に対し民主主義体制への早急な復帰を保証するよう求めるとみられる」と語った。安倍首相はまた、日本人投資家がタイの国内投資家と平等な扱いを受けられるよう、同国に要請するとみられている。協定には、タイ政府が透明性の向上と日本人投資家の法的保護を約束する内容が含まれている。
■タイ国内ではEPA反対の動きも
タイ国内では、「EPAの締結により日本の有害廃棄物がタイ国内に持ち込まれる」との懸念から、同協定に猛反対する動きもみられた。反対運動を展開した活動家の中には、クーデター以前のタクシン首相反対派も含まれる。この動きに対し日本の外務省高官は、「反グローバル化活動家らの懸念は法的妥当性を欠く。日タイ両国はバーゼル条約(Basel Convention)の加盟国であるため、有害廃棄物の移動は制限されている」と述べた。
写真は3日、在バンコク日本大使館前でプラカードを掲げ、EPA締結に抗議する活動家。(c)AFP/PORNCHAI KITTIWONGSAKUL