写真は、サンフランシスコで開かれたアップルの商品展示会でメールを見る人(3月10日撮影)。(c)AFP/Getty Images/David Paul Morris
【サンフランシスコ/米国 18日 AFP】不適切な日付で社員にストックオプション(自社株購入権)を付与した問題の解決を急ぐ米アップル(Apple Inc.)は16日、行使されたオプションについて付与日を訂正することにより発生する追徴課税を社員に代わって支払い、未行使オプションについては行使日の訂正を行うと発表した。
アップルは、米証券取引委員会(US Securities and Exchange Commission、SEC)へのこの申し出により、約6万7000ドル(約780万円)を支払うこととなる。
同社広報担当のSteve Dowling氏によると、2005年以来、不適切な付与日のストックオプションが行使されたことによって所得税が増額されるのは、従業員数十人となるという。
アップルはまた、行使前のストックオプションを保有する従業員について、行使価格を決定する行使日を訂正し、これにより訂正前に比べ利益が目減りした場合には、その差額を従業員に支払う。
「従業員が現在保有する未行使のストックオプションは、行使価格を訂正し、利益の下落分については現金で従業員に支払う。また、すでに行使されたストックオプションについては、適正な日付に調整して収入が増加した場合、従業員に代わってアップルが増加分の所得税を払う」とDowling氏はAFPの取材に対し述べた。
米国税庁(Internal Revenue Service、IRS)の規定で、スティーブ・ジョブズ(Steve Jobs)最高経営責任者ら幹部にこの救済策は適用されない。ジョブズCEOは自身が所有する未行使のストックオプションについて自発的に放棄している。
ジョブズCEOは、ストックオプションの操作により不適切な報酬を与えたとする問題の調査の一環として連邦検察の取り調べを受けてきた。
アップルによると、ジョブズCEOは役員数人のストックオプションの日付変更について認識していたが、利益は得ていない。
米IT業界では、同様の連邦検察による取り調べがマカフィー(McAfee)、CNETなどを含む100社以上で行われている。
ストックオプション付与の日付変更自体は違法ではない。しかし、決算報告書で株主に開示することなく、ストックオプション付与の日付変更操作によって報酬あるいは将来の報酬を水増することは不適切とされる。
株価が安い時期にさかのぼってストックオプション付与の日付を変更した場合、付与された役員は、これを行使することにより、より大きな利益を手にすることができる。
元米副大統領で、同社取締役のアル・ゴア(Al Gore)氏による社内調査の後、同社は8400万ドル(約98億円)を、現金支出を伴わない株式での報酬に関する費用として追加計上すると発表している。
アップルは、カリフォルニア(California)州、 Cupertinoに本社を置き、マッキントッシュ(Macintosh)コンピューターや、デジタル携帯音楽プレーヤー「iPod」を製造する。
写真は、サンフランシスコで開かれたアップルの商品展示会でメールを見る人(3月10日撮影)。(c)AFP/Getty Images/David Paul Morris