【パリ/フランス 2日 AFP】欧州航空機製造大手エアバス(Airbus)は1日、超大型機A380の貨物機の開発を一時停止したと発表した。しかし、同機の注文獲得は引き続き目指していくとしている。

 A380の貨物機には3社からの注文があったが、エアバスが同機の引き渡しが2年遅れると発表したことを受け、10機を注文していた運輸大手の米フェデックス(FedEx)が2006年11月にキャンセルした。前週には、10機を注文しているフェデックスと競合のユナイテッド・パーセル・サービス(UPS)も、2007年中にキャンセルすることを検討していると発表。一方、5機を注文していた航空機リース事業の国際リースファイナンス(ILFC)は、注文をキャンセルし、A380の旅客機を注文することを明らかにしていた。

 エアバスの広報担当者は、「A380の貨物機の開発計画は継続させる。開発は一時停止させるが、顧客獲得は続ける」と述べている。

 今回の発表の前日には、エアバスはドイツ、フランス、英国、スペインで合計1万人の人員を大幅削減する経営再建計画を公表していた。

 エアバスは、戦略的に重要な航空機製造部門で、米ボーイング(Boeing)と競合し、欧州の産業界を主導すべく1970年に設立された。長きにわたり欧州の企業と展望の模範となってきた。

 写真は、ドイツ上空を飛行するエアバスのA380F貨物機(2004年撮影)。(c)AFP/EADS