写真は、北西部の甘粛(Gansu)省にあるれんが造りの自宅で、ソーラーパネルを用いてお湯を沸かす地元農家の人。(2004年9月2日撮影)。(c)AFP/Frederic J. BROWN
【北京/中国 9日 AFP】中国の将来の成長産業と目される太陽発電。しかし、中央政府が必要な援助を躊躇(ちゅうちょ)していると、専門家らは指摘する。
■中央政府の重い腰
エネルギー財団(Energy Foundation)の中国部門Wang Xing上級計画官は「太陽発電産業は確実に力をつけてきているのに、それを国内に根づかせようという政府の意欲が感じられない。産業育成のための指導プログラムさえない」と語る。
中国政府は国内消費エネルギー量のうち、再生可能エネルギーでまかなう割合を、現在の約7%から2010年には10%、2020年には16%にまで引き上げたいとの意向を示している。関係筋によると、水力発電が最優先で、風力発電と太陽発電がそれに続く可能性が高い。
しかし高い目標を掲げても、肝心の政府に資金援助を積極的に進めようとする姿勢が見られないと、専門家らは見ている。
■「農村産業」から脱却なるか?
国内の太陽発電セクターが政府援助を必要とする状況は、今後も続くと予測されている。設備建設コストが高くつき低い利潤率しか望めないことが新規企業の参入を阻んでいるためだ。
一方、輸出向け生産の強化を目指す国内製造業者は、工場が立地する農村地帯に電化計画を実施するための公共投資を期待している。
国連開発計画(UNDP)と地球環境ファシリティ(Global Environmental Facility)のテクニカル・アドバイザーであるWilliam Wallace氏は、「現時点で、太陽発電は農村産業にとどまっている」と指摘している。
■太陽発電の泣き所
太陽発電の最大の障害は、各家庭が生産する小規模電力を大規模な電力網に乗せることができないことだ。「現在のところは、北京や上海など大都市で実験ベースで実現されているだけ」と、国営のエネルギー研究所のGao Hu研究員は語る。
各家庭と全国的な電力網を結ぶことができれば、太陽、風力および小規模の水力発電産業にとっては追い風となる。自宅で余った電力を売却することができるようになるからだ。
■太陽発電は上向き?
それでも、全国規模での実現の見通しが全くないというわけではない。政府が今年中にも、再生可能エネルギーの施設建設に本腰を入れるとの情報も流れている。
また、経済的活況にわく深川(Shenzhen)では、電力不足を補うため、新規住宅に太陽発電を義務づけたと、国営通信が伝えている。前例のないこの法律は、12階建て以下の住宅建物全てに、太陽発電による給湯システムを設置することを義務づけている。それ以上の高さのビルは、24時間稼働が技術的に不可能であるため免除されている。
■自助努力を強める民間企業
こうした中、太陽発電に関連する民間企業が自ら設備投資を拡大するケースが相次いでいる。その一例が、ナスダック(NASDAQ)にも上場しているSolarfun Power Holdingsだ。同社は太陽電池と、複数の太陽電池を結合した太陽モジュールの生産能力を飛躍的に拡大させることを計画しているという。2006年の年間生産能力は太陽電池が120メガワット、モジュールが60メガワット。これを2007年末には240と180メガワット、2008年には360と300メガワットまで引き上げる見通し。
写真は、北西部の甘粛(Gansu)省にあるれんが造りの自宅で、ソーラーパネルを用いてお湯を沸かす地元農家の人。(2004年9月2日撮影)。(c)AFP/Frederic J. BROWN