写真は、クリスマス飾りで彩られたショーウインドーの前を横切る買い物客。(c)AFP/Yoshikazu TSUNO
【東京 24日 AFP】2006年の日本経済は、堅調な景気回復をみせ、更なる回復への期待が高まる中で、二極化拡大への不安が国民に浸透していると専門家らが指摘した。
日本経済は、7年におよぶデフレから回復に転じ、今年は消費者物価などの経済指数が上昇をみせた。これを受けて、日本銀行は7月にゼロ金利政策解除に踏み切った。
また、11月には「いざなぎ景気」を超え、58か月という戦後最長の景気拡大を記録。トヨタ自動車は2007年にも生産・販売ともにGMを超えて首位に躍り出る勢いだ。
一方で、多くの国民にとって景気回復の実感がないのが実情だ。
■ 中間層意識型から一転
「一億総中流」社会といわれ、中間層意識を持っていた国民の考え方に変化が見られるようになった。3月に行われた世論調査では、81%が社会格差拡大への不安を抱いているという結果となった。
同志社大学の浜矩子教授は「特徴的なのは、景気回復を恩恵を受けているのは、一部の人々に限定されているということ。突如として国民が、社会格差、貧困、ワーキング・プアーへの不安を抱え始めた」と指摘する。
「また、日本企業はいまや、真の意味で国際競争の必要性に迫られている。もはや平等だ何だとは言ってられない時代になった。正常な経済には格差が存在し、勝者もいれば敗者もいるものなのだ」と同氏は付け加えた。
平均的な世帯は依然として世界的に高水準の生活を送り、失業率も4%前後の低水準を維持している。一方、広がる社会不安はマスコミに多く取り上げられるようになり、社会的「勝ち組」「負け組」という言葉が盛んに報じられるようになっている。
不安は財界にも浸透し、アメリカ的な敵対的企業買収などに対する抵抗感が強い。
日本経済新聞は「市場原理に基づく意思決定を『拝金主義』とみなし、伝統的な企業経営を崩壊させるという警戒感は、日本企業に依然として根強く残っている」と指摘している。
写真は、クリスマス飾りで彩られたショーウインドーの前を横切る買い物客。(c)AFP/Yoshikazu TSUNO