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ユーロ導入から5年、上がったのはコーヒーの値段か、経済的利益か? - フランス

  • 2006年12月11日 13:33 発信地:フランス
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写真はユーロ硬貨(2001年11月23日撮影)。(c)AFP/MYCHELE DANIAU

【パリ/フランス 10日 AFP】欧州単一通貨ユーロが導入されて5年が経過したが、多くの人々は経済効果を実感するよりも、「コーヒー1杯の価格が高くなった」と感じていることがわかった。

■下がり続けるユーロ「支持率」、物価上昇に非難集中

 2002年1月1日のユーロ導入で使用通貨が切り替わったのは、欧州全域で約2億400万人に上る。以来、ユーロの支持率は低下する一方だ。

 ユーロは、欧州統合をより深めるための重要な一歩として、経済成長の促進や、これまで何度も大陸を襲った通貨危機の回避など、経済的効果が大きく宣伝されてきた。

 しかし導入から5年、欧州市民の多くはユーロへの切り替えが生活費の上昇を招いたと考えており、特にコーヒーとビールの価格について、切り替えの混乱に便乗して小売店やサービス業者が値上げを行ったとして非難している。
 ドイツでは、「(値段が)高い」を意味する単語「teuer」とユーロ(Euro)をかけた「Teuro(トイロ)」という造語が物議を醸しているほどだ。

■ECBは「インフレ2%維持」を強調

 物価高批判への反証を上げるのに必死な欧州中央銀行(European Central Bank、ECB)は、過去5年間のインフレ度は2.0%を少々上回る程度を維持し安定していると指摘。エネルギー費用と不動産価格の上昇はユーロとは何ら関係なく、ハイテク業界など分野によっては価格は実際に下落していると強調する。

 しかし最近では、ドルや円に対してユーロ相場が高い問題で、仏政界などからECB自体への批判も噴出しはじめた。今年に入りユーロは対ドルで10%上昇。輸出品の国際競争力が低下し、成長率の低迷につながっていることから、政治家らが金利引き下げを要求したのだ。

 だがECBは、あくまでもインフレ抑制に固執して、今年中に借り入れコストを引き上げる方針だ。過去12か月間で6回の利上げを実施し、金利水準は3.50%まで上がった。

■欧州内の経済成長も低迷、加盟ためらう国も

 欧州を政治的に統合していくための促進剤と位置づけられていたユーロだが、計画実現には失敗したとみていい。

 欧州連合(EU)は2004年に新規加盟10か国を迎えて拡大したが、一方で2005年にはフランスとオランダでEU憲法の批准を拒否するなど、全体的な統合計画にはつまづきも見られる。加盟を待つ各国の間でも、ユーロの魅力は薄れているようだ。1月1日にスロベニアが13番目のユーロ導入国となったほかは、以前に比べ自国通貨の放棄にためらう傾向が強い。

 域内の経済成長も低迷している。各国政府とも自国経済の構造改革に消極的で、近年の国内総生産(GDP)成長率は米国に比べてはるかに低い。

 2010年までにEUを世界で最も経済競争力のある地域にするとした「リスボン戦略(Lisbon Agenda)」(2000年)は見直しを迫られ、骨抜きになったも同然と言える。

 写真はユーロ硬貨(2001年11月23日撮影)。(c)AFP/MYCHELE DANIAU
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