写真は19日、OPEC緊急総会に出席するイランのガゼム・バジリハマネ(Kazem Vaziri Hamaneh)石油相(中央)。(c)AFP/KARIM JAAFAR
【ドーハ/カタール 20日 AFP】石油輸出国機構(OPEC)は20日、カタールの首都ドーハ(Doha)で緊急総会を開き、原油生産量を現状より日量120万バレル減らし、11月1日から日量2630万バレルに削減することで合意した。市場への供給量を絞ることで原油相場の下落に歯止めを図るのが狙い。
OPECは、原油供給が需要を大幅上回っているためとして、公式声明で、「原油生産量を現状の日量2750万から120万バレル減産し、日量2630万バレルにすることで合意した。減産は11月1日から実施する」と述べた。
緊急総会に先立ち、100万バレル程度の減産を行う可能性を加盟各国は示唆していたが、予想を上回る削減量となった。
■ 下回る実質生産量、問われる信頼性
OPECは世界の原油生産の3分の1強を占める。2005年7月に公式生産枠を日量2800万バレルと決定し、公式生産量据え置きの合意は現在も続いている。しかし、実際の生産量はこれを下回っている。
アナリストらは、実質減産量の引き下げは原油価格の上昇につながるが、公式生産枠引き下げは、逆に原油価格の下落につながる可能性があると指摘している。実質産油量が公式生産枠を下回っている現状では、OPECへの信頼性が問われているからだ。
■ 高値後の急落で減産に合意
原油価格は米先物市場で7月から8月にかけて1バレル=78ドル(約9200円)台の最高値を記録したが、下落に転じ、1バレル=58ドル(約6850円)を割り込んだ。この価格は、2002年相場の3倍を維持しているとはいえ、最高値からは25%以上の反落。これを受けてOPECは前週、生産量を100万バレル削減する基本方針で合意していた。
減産は、加盟11か国中、イラクを除く10か国で実施される。
生産日量が加盟国中最大(910万バレル)のサウジアラビアは、日量38万バレル、次いでイランが17万6000バレル、ベネズエラが13万8000バレルとなっている。
公式生産枠については当面、現在の2800万バレルを維持する。
■ 供給過多であると主張
OPECは声明で、「加盟国代表は、原油供給量が実際の需要を上回っている点を懸念している。経済協力開発機構(OECD)加盟国の原油備蓄量が標準を上回っていることからも明らかであり、供給過剰による需給不均衡が市場を不安定にしている」と述べた。
OECDには、日本、米国、欧州諸国など先進各国が加盟している。
■ さらなる減産も示唆
アラブ首長国連邦のムハンマド・ビン・ダーレン・ハミリ(Mohammad bin Dhaen al-Hamli)エネルギー相は、エドムンド・マドゥアベベ・ダウコル(Edmund Maduabebe Daukoru)事務局長代行の名代として出席した緊急総会後の記者会見で、「実質生産量を2630万バレルに引き下げる」と述べたうえで、12月14日にナイジェリアの首都アブジャ(Abuja)で開催される次回総会で追加減産を行う可能性に含みを持たせた。
「(OPEC)事務局は、次回総会まで市場の動向を注視し、適切な対応を取る」(ハミリ・エネルギー相)
OPEC加盟各国は、削減が必要との判断がされれば支持する意向を示している。
ハミリ・エネルギー相は、OPECは「公正な」原油価格を求めていると付け加えた。
■ 市場の反応
19日、ニューヨーク先物市場の11月物軽質スイート原油は、85セント高の1バレル=58.5ドル(約6900円)で引けた。ロンドン市場では12月物の北海・ブレント油田産原油の終値が、1ドル29セント上がって60.87ドル(約7100円)で取引を終えた。
原油価格は、イスラエルとイスラム教シーア派武装組織ヒズボラとの戦闘、核開発問題をめぐるイランと西側諸国の対立など、中東情勢を懸念して高騰した。
原油需要は、ここ数年、中国やインドなど振興経済勢力に支えられて堅調を維持している。
写真は19日、OPEC緊急総会に出席するイランのガゼム・バジリハマネ(Kazem Vaziri Hamaneh)石油相(中央)。(c)AFP/KARIM JAAFAR