【ワシントンD.C./米国 29日 AFP】米国勢調査局(US Census Bureau)が29日発表した2005年の家計調査で、貧困率は高止まりで安定したものの、医療保険の未加入者は増大したことが分かった。
米国で法定貧困レベル(最低限の市民生活を営める所得レベル)とされるのは、単身世帯で年収9973ドル(約116万5000円)、4人家族世帯で年収1万9971ドル(約233万3000円)だが、総人口の12.6%に相当する3700万人の生活がこの基準を下回っている。
国勢調査局によると、4年連続で上昇していた貧困率は、2004年の12.7%から「統計的には変わっていない」という。
実質平均家計所得は2004年から1.1%伸び、4万6326ドル(約540万9000円)に到達した。実質所得の年率が上昇するのは、1999年以来となる。
一方、医療保険に加入していない人口は、15.6%から15.9%に増加し、4660万人だった。
貧困率は、黒人層で最も高く24.9%(920万人)で、ヒスパニック系が21.9%で続く。いずれも基本的には2004年の調査結果から変動していないが、アジア系では9.8%から11.1%に上昇した。
医療保険等に一切加入していなかったのは、ヒスパニック系で32.7%、黒人層で21.9%、アジア系で17.9%だった。
これらの統計結果について、クリントン政権で主席補佐官を務めたジョン・ポデスタ(John Podesta)アメリカ進歩センター(Center for American Progress)所長は、共和党の政策を批判する。
「世界で最も豊かな国で、4700万人もの国民が医療保険を受けられず、3700万人もが貧困ラインを下回る生活を送っているなど、道徳的に許されないことだ」とポデスタ所長。「今こそ、方針転換の時だ」と語った。
国勢調査局によると、米自治領のプエルトリコ(Puerto Rico)を除いた場合、貧困率はミシシッピー(Mississippi)州の21.3%と、ルイジアナ(Louisiana)州の19.8%が最も高い。この2州は2005年にハリケーン・カトリーナ(Katrina)で壊滅的な打撃を受けており、改善は望めなかったとみられる。
貧困の激しい地域としては、他にコロンビア特別区(District of Columbia)の19%、ニューメキシコ(New Mexico)州の18.5%、ウェストバージニア(West Virginia)州の18.0%などがある。
逆に、実質平均家計所得が最も高かったのはニュージャージー(New Jersey)州の6万1672ドル(約719万9600円)で、メリーランド(Maryland)州、コネティカット(Connecticut)州が続いた。
平均所得格差が最大だったのはテキサス(Texas)州で、ダラス(Dallas)郊外プレーノ(Plano)市が全米一裕福な大都市圏だった一方で、メキシコ国境に近いエル・パソ(El Paso)は最貧都市圏だった。
オハイオ(Ohio)州クリーブランド(Cleveland)、ミシガン(Michigan)州デトロイト(Detroit)、フロリダ(Florida)州マイアミ(Miami)、ジョージア(Georgia)州アトランタ(Atlanta)などでは、いずれも貧困レベルを上回った。
家計所得が全体的に増大したのに対し、実質賃金は低下した。米国人男性の平均給与は1.8%減の4万1386ドル(約483万1400円)で、女性は1.3%減の3万1858ドル(約371万9400円)だった。
11月に中間選挙を控え、近年の堅調な経済成長の恩恵を一般の米国人は享受できていないと主張する民主党が、これらの統計結果を選挙戦に利用する可能性は高い。
写真はワシントンD.C.南部で29日、接収された家屋。(c)AFP/Jim WATSON
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