【6月10日 AFP】インドネシアに近いオーストラリア領クリスマス島(Christmas Island)沖で、密航船とみられる船が沈没し、13人が死亡、数十人が行方不明になっている。同国当局が9日明らかにした。

 オーストラリア政府によると、木片や救命胴衣が散乱している海域を空から捜索し、13人の遺体を発見した。現在は生存者発見に向け、船舶15隻と航空機10機による本格的な捜索活動が行われている。

 沈没した船は5日に国境警備隊の航空機によって確認され、船のデッキに55人前後がいるのが目撃された。大半は成人男子だったが、女性や子どもも混じっていた。

 6日には領海侵入を差し止める目的で海軍の艦船「HMASワラムンガ(Warramunga)」が派遣されたものの、船の姿は既になく、7日に空からの捜索で「水面下に沈んだ船体」が発見されるまで、船の行方の手がかりは一切なかった。

 ワラムンガが現場海域に到着したところ、一帯に木片と救命胴衣が浮いており、7日遅くに1人、9日朝に12人の遺体が発見された。

 インドネシアからオーストラリアに向かう亡命目的の密航船の遭難事故による死者は、ここ数年で数百人に上っている。最近では3月に95人が乗った密航船が転覆し、幼児を含む2人が死亡した。(c)AFP