【6月9日 AFP】過去10年余りで最悪の洪水被害が欧州中部を襲う中、ドイツ東部では8日、氾濫した川の水位が上昇したため、付近の住宅や病院にいる人々に避難命令が出された。また、ハンガリーの首都ブダペスト(Budapest)では、ドナウ(Danube)川の水位が過去最高値に達しており、依然として警戒態勢がとられている。

 洪水被害は他の国々でも相次いでいる。オーストリア内務省は4人が死亡、2人が行方不明になっていると発表し、先週から続く洪水による欧州全体の死者は少なくとも18人になった。10人が死亡したチェコでは、新たな洪水被害が懸念されている。

 ドイツ当局によると、ザクセン・アンハルト(Saxony-Anhalt)州全域では、ここ数日間で既に過去最高水準に達しているエルベ(Elbe)川の水位が2時間で約2センチメートルの割合で上昇し続けていることから、数千人の住民が避難した。

 一方、ドイツから見てドナウ川の下流にあるハンガリーにも洪水の脅威が迫っており、10日午前にピークに達すると予測されている。ブダペスト市長は8日、「ブダペストにおける川の水位が9メートルを超えることはないだろう」と述べたが、8日の時点で水位は既に8.61メートルに達しており、2006年に記録した当時の史上最高水位8.6 メートルを上回っている。ハンガリー北西部では住民約1500人が既に避難した。(c)AFP/Peter MURPHY