【4月10日 AFP】イラン南部で9日午後4時22分(日本時間同日午後8時52分)、マグニチュード(M)6.1の地震があり、10日までに37人が死亡、850人が負傷した。

 イラン地震センター(Iranian Seismological Center)によると、震源は南部カキ(Kaki)付近で、深さは12キロメートル。10日までに10回以上の余震が記録され、余震の最大規模はM5.3だった。

 ファルス(Fars)通信によると、地震でおよそ700家屋が倒壊し、がれきの下からこれまでに少なくとも20人が救助された。イランの赤新月社(Red Crescent Society)の救助チームは10日、がれきの下敷きになった人々を全員救助したと発表し、救助活動を終了した。

■震源近くの原発「被害なし」と当局

 震源の北西90キロの距離にあるブシェール(Bushehr)には原子力発電所があるが、イラン当局は国際原子力機関(International Atomic Energy AgencyIAEA)に対し、原発に被害は生じず、放射性物質の放出もなかったと報告している。

 イラン原子力庁(Iran Atomic Energy Organisation)のフェレイドン・アッバシ・ダバニ(Fereydoon Abbasi Davani)長官はイランメディアに対し、地震発生時、原発は「検査中」で稼働を停止していたと語った。また、同原発の技術主任は、アラビア語放送局アルアラム(Al-Alam)に対し「(地震によって)損なわれた運用上、安全上の手続きは1つもなかった」と述べている。(c)AFP