【2月17日 AFP】ロシア・ウラル(Ural)地方の湖で16日、15日にチェリャビンスク(Chelyabinsk)州に落下した隕石(いんせき)の破片の捜索が行われた。

 隕石の破片は、氷が張ったチェバルクリ湖(Lake Chebarkul)やそのほかの数か所に落下したとみられている。16日は6人のダイバーが3時間にわたってチェバルクル湖の湖底を捜した。しかし水中の視界はゼロで、湖底には厚さ1.5メートルの泥が堆積していて、結局、泥以外には何も発見できなかった。

 それでも隕石ハンターたちは破片を見つけようと意気込んでいる様子だ。ロシアの幾つかのウェブサイトは本物の隕石の破片を見つけた人に30万ルーブル(約93万円)の懸賞金をかけた。

■「国際的な隕石防衛システムを」

 16日は氷点下20度近いの寒さの中、2万人もの作業員が夜を徹して割れたガラス窓をシートで覆ったり、約3000棟の建物のひび割れを点検したりした一方、警察は壊れた窓などから店に入って略奪をする者が出ないよう、店舗が並ぶチェリャビンスクの大通りをパトロールした。

 16日午後の時点で、切り傷などを負った大人37 人、子供3人がまだ入院している。

 米航空宇宙局(NASA)の専門家は、今回落下した隕石が大気中で発したエネルギーは広島に投下された原爆の約30倍に上ると推定している。

 ロシア下院国際問題委員会の委員長で、ウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領とも近いアレクセイ・プシコフ(Alexei Pushkov)氏は16日夜、マイクロブログのツイッター(Twitter)に次のように書き込んだ。

「人々は地上で戦うのではなく、協力して隕石防衛システムを構築すべきだ。米国は欧州で軍事的防衛システムを作るのではなく、われわれと共に中国とも協力してAADS(対アステロイド防衛システム)を作るべきだ」(c)AFP/Dmitry Zaks