【10月31日 AFP】(一部更新、写真追加)ハリケーンから温帯低気圧に変わったサンディ(Sandy)による死者は、30日までに米国とカナダで少なくとも43人になった。当局者が明らかにした。

 29日午後8時(日本時間30日午前9時)ごろ米ニュージャージー(New Jersey)州アトランティックシティー(Atlantic City)付近に上陸したサンディは、それまでにカリブ諸国で67人の生命を奪っていたため、サンディによる死者は現時点で110人になった。

 米ニューヨーク(New York)市のマイケル・ブルームバーグ(Michael Bloomberg)市長は30日、サンディによる同市の死者は少なくとも18人になったと発表し、ニューヨーク州の死者は23人になった。

 ニューヨーク市では4.23メートルという記録的な高潮で、ロウアーマンハッタン(Lower Manhattan)では地下鉄や道路のトンネルにハドソン川(Hudson River)とイーストリバー(East River)の水が流れ込み、世界貿易センター(World Trade Center)跡地の建設現場ではにわかに滝が現れたような光景が見られた。

 バラク・オバマ(Barack Obama)大統領はニューヨークとニュージャージーの両州に激甚災害を宣言した。11月6日に大統領選の投票を控えているオバマ大統領と共和党のミット・ロムニー(Mitt Romney)候補は前日に続き30日も選挙関連の予定をキャンセルした。オバマ大統領は31日にニュージャージー州を訪れる予定。

 米エネルギー省によると30日は800万軒以上の住宅と事業所で停電した。ニューヨーク、ニュージャージー両州の公共交通は止まり、復旧まで数日かかるとみられている。

 サンディはアパラチア山脈(Appalachian Mountains)地方に90センチの積雪をもたらし、オハイオ(Ohio)、ペンシルベニア(Pennsylvania)、ウェストバージニア(West Virginia)の各州の一部では吹雪になった。

 ニューヨーク証券取引所(New York Stock ExchangeNYSE)とハイテク株が中心のナスダック(Nasdaq)市場は、29日に続いて30日も取引を全面中止したが、31日は取引を再開する方針。(c)AFP