【8月30日 AFP】米ルイジアナ(Louisiana)州に上陸したハリケーン・アイザック(Isaac)は29日、勢力を弱め熱帯低気圧になったが、依然として暴風雨をもたらしている。

 アイザックの影響を最も強く受けた同州ニューオーリンズ(New Orleans)郊外のプラークマインズ(Plaquemines)郡では31メートルの暴風のなか広い範囲で洪水になり、地元当局は約3000人に避難命令を出した。

 ルイジアナ州のボビー・ジンダル(Bobby Jindal)知事によると、アイザックの影響でこれまでに1人が死亡した可能性がある。アイザックの勢力はちょうど7年前に甚大な被害をもたらしたハリケーン・カトリーナ(Katrina)よりずっと弱いものの、プラークマインズ郡では約800棟の家屋が損壊した。

 アイザックは各地で電柱を倒し電線を切断。ルイジアナ州では50万人以上が停電の影響を受け、アラバマ(Alabama)、フロリダ(Florida)、ミシシッピ(Mississippi)の各州でも数万人が暗闇の中で夜を過ごした。アイザックが2度上陸したニューオーリンズのミッチ・ランドリュー(Mitch Landrieu)市長は、市内に夜間外出禁止令を出した。

 一部の地域の雨量は既に640ミリに達しているが、米国立ハリケーンセンター(National Hurricane CenterNHC)によるとアイザックの速度は極めて遅く、暴風雨は30、31両日も続くと予想されている。切れた電線の復旧作業ができる程度に風が弱まるのは早くても1日後になる見込みだという。

 災害リスクコンサルティング会社Eqecatの試算によると、アイザックがルイジアナ州内外やメキシコ湾(Gulf of Mexico)の石油施設に与えた被害額は25億ドル(約2000億円)に上る可能性がある。

 米陸軍工兵隊(US Army Corps of Engineers)によると、カトリーナの被害を受けた後にニューオーリンズを取り囲むように作られた堤防と排水施設の外側に位置するメキシコ湾(Gulf of Mexico)に突き出した土地の少なくとも1か所で水が堤防を越えたが、カトリーナの教訓で築かれた堤防自体はよく持ちこたえているという。(c)AFP/Mira Oberman