【2月21日 AFP】東日本大震災の発生からもうすぐ1年を迎えるなか、東京電力(TEPCO)は20日、福島第1原子力発電所を報道陣に公開した。「冷温停止状態」にあるとされている福島第1原発の公開は前年11月に次いで2回目となる。

 高橋毅(Takeshi Takahashi)所長は、防護服で身を固めた3000人以上の作業員が、原子炉の安定化と放射性物質の漏えい防止のための作業を行っていると説明した。がんが見つかり前年12月に退任した吉田昌郎(Masao Yoshida)前所長の後を継いだ高橋所長は疲労の色が見えた。

 高橋所長は報道陣に、原子炉から核燃料を取り出していく新たな取り組みが始まったところで、技術的な課題も多いが、着実に一歩一歩取り組んでいきたいと述べた。また福島第1原発が冷温停止状態にあるとした上で、避難中の人々が1日も早く戻れるよう努めたいと語った。

 最近起きた2号機の温度上昇については温度計の故障が原因であることを確認した。

 公開された原発敷地内では、数回の爆発により最上階が吹き飛び、鉄骨がむき出しとなった3号機の無惨な様子も見られた。他方、1号機はタープ状のもので完全に覆われ、また4号機の屋上では作業にあたる作業員の姿が見られた。東京電力は、4号機は3号機が爆発した際の爆風で損傷したとしている。(c)AFP

【写真特集】福島第1原発を公開、冷温停止状態宣言後初めて