【10月25日 AFP】23日にマグニチュード(M)7.2の地震に見舞われたトルコ東部ワン(Van)では、現在も懸命な救助活動が続けられている。だが、生存者発見の望みは徐々に薄れつつある。犠牲者の数は、これまでに300人近くに上った。

 崩壊したアパートで救出活動を見守る34歳の男性は、生後9か月のおいががれきの下に閉じ込められたままだと、悲しげに語った。ベビーベッドは見つかったが、おいはまだ見つかっていないという。おいの父親にあたる、男性の兄弟もまだがれきの下だという。

■抱き合ったままの男女の遺体も

 市中心部の7階建てのビルの崩壊現場でも、救助活動が続いている。ここでは、これまでに7遺体が収容された。このなかには抱き合ったままの男女の遺体もあったという。依然として、15人から20人あまりが閉じ込められているとみられ、夜を徹して救助活動が行われている。

 48時間、休みなく続く救助活動に自発的に参加しているという23歳の男性は、家族からは死傷者は出ていないが、建物内にいた人々は、みな友人だったと話した。

 現場では凍てつく寒さの夜間も重機でがれきを取り除く作業が続き、がれきの下に閉じ込められた人々の家族らがたき火にあたりながら作業を見守った。

 重機は24日夜、ビルの2階部に達し、25日には多くの人が埋もれているとみられる1階部に到達できる見込みだという。

 ある救援隊員は、これまでにバスの下にうずくまっていた母子を救出したと話した。2人は地震から身を守るために逃げ込んだとみられる。

■死者279人、負傷者1300人に

 すでに地震発生から35時間以上が経過しており、重機を操作する男性は、今後、生存者を発見できるかどうかは運次第だと語った。

 これまでに正式に確認された死者数は279人、負傷者数は約1300人に達している。また倒壊した建物は970棟に上るが、被災地では現在も余震が続いている。(c)AFP/Fulya Ozerkan