【10月16日 AFP】米ハワイ大学(University of Hawaii)の国際太平洋研究センター(International Pacific Research Center)は13日、東日本大震災の際の津波で流されたとみられる小型漁船が、被災地から3100キロ離れた太平洋上を漂流しているところを、ロシア船が9月下旬に発見し、引き揚げたと発表した。

 同センターによると、漁船を引き揚げたのはロシアの訓練船「STSパラダ(STS Pallada)」。同センターは声明で、「ハワイのホノルル(Honolulu)からロシアのウラジオストク(Vladivostok)に帰還する途中だったロシア船が、津波による漂流物の数々を発見した」と述べた。

 漁船を発見したのは米ミッドウェー(Midway)諸島を通過した後だったという。漁船は全長20フィート(約6メートル)ほどで被災地の福島県の船とみられており、パラダでは所有者を探している。

 パラダ乗員は「テレビや冷蔵庫、その他の家電製品も見かけた」と述べ、「木の板やペットボトル、漁網のブイ、洗面器のようなもの、ブーツなどが浮いてるのを繰り返し見た」と語った。

 ニコライ・マキシメンコ(Nikolai Maximenko)氏ら同大研究者は、津波で流された漂流物は1年で北西ハワイ諸島(Northwestern Hawaiian Islands)の浜辺に流れ着き、3年で米海岸に到達すると予測している。(c)AFP

【参考】国際太平洋研究センターのプレスリリース(英語)