【10月5日 AFP】南太平洋のトケラウ(Tokelau、ニュージーランド領)が3日夜、水不足で非常事態を宣言した。ニュージーランド当局者が4日明らかにした。太平洋の島しょ国ツバルが同じく水不足で非常事態を宣言したばかりで、周辺の南太平洋の一部地域では水の配給が始まっている。

 ニュージーランドのマレー・マカリー(Murray McCully)外相によると、人口約1400人のトケラウではラニーニャ(La Nina)現象により長らく雨不足が続いており、トケラウの飲料水は1週間分を切っているという。

 トケラウに近い人口1万1000人のツバルも非常事態を宣言しており、ツバルではすでに水の配給が始まっている。

 世界最小の独立国家であるツバルは、オーストラリアとハワイの中ほどに位置する。トケラウはツバルから東に500キロほどにある。

 マカリー外相は、南太平洋のほかの島々でも水不足の報告があると述べ、危機がいっそう悪化するおそれもあり、ニュージーランドは地域全体の状況把握を急いでいると語った。

 太平洋共同体(Secretariat of the Pacific Community)の水資源保護専門家のデビッド・ヘベルスウェイト(David Hebblethwaite)氏によると、ツバルでは過去3年間、降雨量が少ない状態が続いており、この7か月は雨が一滴も降っていない。

 ツバルのフナフティ(Funafuti)環礁とヌクラエラエ(Nukulaelae)環礁は地下水がなく、家屋や政府建物の屋根に貯めた雨水に頼っている。

 ヘベルスウェイト氏は「これらの地域には配給を行っている。かなり少ない量で、近いうちに雨が降ることを期待している」と、ラジオ・オーストラリア(Radio Australia)に語った。

 また、同氏は、これらの地域の水不足が公衆衛生の悪化、ひいては健康問題を招くことになれば、追加の医療物資も必要になるだろうと述べた。(c)AFP/Neil Sands