【8月30日 AFP】ハリケーン「アイリーン(Irene)」の影響で米バーモント(Vermont)州とニューヨーク(New York)州北部で大規模な洪水が続く中、米国とカナダの当局者やメディアは29日、アイリーンによる死者は少なくとも40人に上ったとみられると伝えた。

 死者は、ニュージャージー(New Jersey)州とニューヨーク州、ノースカロライナ(North Carolina)州でそれぞれ6人、ペンシルベニア(Pennsylvania)州で5人、バージニア(Virginia)州で4人、バーモント州で3人、コネティカット(Connecticut)州、デラウェア(Delaware)州、フロリダ(Florida)州でそれぞれ2人、メリーランド(Maryland)州とマサチューセッツ(Massachusetts)州でそれぞれ1人が確認されている。

 また、冠水した道路の亀裂に車が転落したカナダの男性1人と、洪水に流されたバーモント州の1人の行方が分からなくなっており、いずれも死亡したとみられている。死亡の原因の多くは、倒木と交通事故、それに洪水で流されたことによるもの。

 最年少の犠牲者は11歳の少年で、バージニア州沿岸部のアパートに倒れてきた木により死亡した。また、ノースカロライナ州では15歳の少女が、信号の消えた交差点で起きた交通事故で死亡した。マサチューセッツ州では29日、切断された送電線で男性1人が感電死したことが報告され、今回のハリケーンによる同州初の死者となった。

 アイリーンは28日夜にかけて米東海岸を北上し、人口の多い米北東部のコネティカット州、バーモント州、ロードアイランド(Rhode Island)州、マサチューセッツ州の一帯を直撃した。激しい雨が降ったことから、犠牲者はさらに増えることが懸念されている。

 米国では今もなお、数百万人の人びとが停電に見舞われており、ハリケーンの豪雨による洪水被害は今後数日間続く恐れがある。アイリーンは現在、熱帯低気圧に勢力を弱め、カナダに達している。(c)AFP