【6月28日 AFP】米ニューメキシコ(New Mexico)州にあるロスアラモス国立研究所(Los Alamos National Laboratory)は27日、付近で発生した山火事が迫り敷地の一部が焼けたため閉鎖された。

 ロスアラモス国立研究所は第2次世界大戦中に核兵器を開発するために作られた研究施設で、現在は約1万1800人が勤務している。

 敷地に山火事が迫った27日、同研究所は閉鎖を命じられたが、当局は放射性物質の外部への漏れはなく、研究所内の危険性の高い物質はすべて無事だと発表した。

 27日午後に当局は、少なくとも28日も同研究所の閉鎖を続けると発表した。その後、風向きが変わったためロスアラモスの住民約1万2000人の避難が決定された。
  
 当局によると、今回の山火事でこれまでに森林地帯や渓谷、ロスアラモス研究所の南および西の台地など広い範囲が焼けた。

■フォートカルフーン原発には洪水迫る

 一方、近くを流れるミズーリ(Missouri)川が氾濫したネブラスカ(Nebraska)州のフォートカルフーン(Fort Calhoun)原発では26日朝、洪水を食い止めるために設置された長さ約600メートルの防護壁が壊れ、当局が事態の推移を監視している。

 米原子力規制委員会(Nuclear Regulatory CommissionNRC)は、「防護壁が壊れ、格納容器が入っている建物と付属施設の周囲に水が流れ込んでいる」と発表した。水は主要な変圧器の周辺にも達しており、発電所では「予防的措置として」外部から電源を引いている。

 フォートカルフーン原発は燃料補充のために4月上旬から停止していた。(c)AFP