【3月3日 AFP】長引く干ばつで小麦生産への被害が懸念されていた中国北部で、恵みとなる降雨と降雪が確認された。中国農業省は1日、これらの地域で広域にわたって降雨および降雪があり、同地域における干ばつは大幅に緩和されたと発表した。
 
 農業省によると、前月末から40ミリに達する降雨や降雪があり、小麦栽培への影響が懸念される面積は1か月前の770万ヘクタールから前月28日には250万ヘクタールまで大幅に減少した。

 中国北部では、冬季が小麦栽培の時期にあたるが、1か月以上におよぶ干ばつで小麦生産に被害が出れば、世界最大の小麦生産国かつ消費国である中国が、国際市場で大量の小麦を買い付けることが予想され、小麦価格高騰の恐れが出ていた。

 干ばつ対策として、中国政府は130億元(約1600億円)をつぎ込んで、被災地域に緊急用井戸、灌漑施設などを建設すると発表している。だが、農業省は、長引いた干ばつの後で豊作を確保するためには、さらに数週間の降雨が必要だと慎重な姿勢をみせている。(c)AFP