【2月2日 AFP】過去1世紀で最大規模と言われるサイクロン「ヤシ(Yasi)」は2日、勢力を強めつつオーストラリア北東部クイーンズランド(Queensland)州に接近している。

 オーストラリア気象局は、2日にサイクロンの強さを示す5段階のスケールで最も強い「カテゴリー5」に勢力を強めたヤシは、3日午前零時(日本時間2日午後11時)ごろ沿岸部のイニスフェイル(Innisfail)とその100キロ南のカードウェル(Cardwell)の間に上陸すると予想している。イニスフェイルの北には人気の観光地ケアンズ(Cairns)がある。

 ヤシの直径は800キロに及んでおり、沖合の観測では50メートルを超える風速を記録した。沿岸部では強風で樹木などが倒れている。イニスフェイルの町長によると、同地ではすでに建物の屋根が飛ばされるなどの被害が出ており、住民約500人が避難所に身を寄せている。

 2日、沿岸部の空港や港は閉鎖され、普段は観光客でにぎわうケアンズ市内の人通りは少なかった。沿岸部一帯に20か所の避難所が設けられ、合わせて1万人以上が避難している。

 大きな被害も予想されるため、軍はサイクロン通過後の捜索活動に備えて、航空機を搭載できる艦艇の準備を進めている。(c)AFP/Torsten Blackwood