【1月25日 AFP】2010年は自然災害による被害が過去20年で最悪だったことが、ベルギーを拠点とする国連(UN)の協力機関「災害疫学研究センター(Centre for Research on the Epidemiology of DisastersCRED)」が保険会社からの情報やメディアが報道した公式統計をまとめた調査で明らかになった。

 10年の自然災害による死者数は約29万7000人。最悪の被害となったのは同年1月のハイチ大地震で、犠牲者数22万2500人は同年の自然災害による死者総数の65%あまりを占める。

 次いで大きな被害となったのは、同年夏にロシアを襲った熱波で5万5736人が犠牲となった。

 マルガレータ・ワルストロム(Margareta Wahlstrom)国連事務総長特別代表(防災部門)は記者会見で、10年は「犠牲者数、経済的損失、いずれの観点からも、ここ数十年来で最悪の年だった」と語った。

 10年に世界各地で発生した主な自然災害373件の経済的損失は、総額1090億ドル(約9兆円)に上る。このうち300億ドル(約2兆5000億円)は同年2月に南米チリで起きた大地震の被害額だ。また、同年の自然災害の被災者2億700万人のうち、89%がアジアの人びとだという。(c)AFP