【12月19日 AFP】クリスマスが近づくなか欧州の広い地域が強い寒波に見舞われ、空港が閉鎖されたり、自動車が道路に立ち往生したりするなど、大きな影響が出ている。

■各地で空の便に乱れ

 最も大きな影響を受けた英国では18日、雪のため各地で空港が閉鎖され、空の便の混乱はほぼ終日続いた。ロンドン(London)のヒースロー空港(Heathrow Airport)の2本ある滑走路が両方とも除雪作業のため閉鎖されたほか、ロンドン近郊のガトウィック空港(Gatwick Airport)も滑走路に約10センチ積雪したため、空港を一時閉鎖して約140人が除雪作業にあたった。

 英航空大手ブリテッシュ・エアウェイズ(British Airways)は同日、両空港を出発する短距離便の全便を欠航させた。長距離便もヒースロー空港では午後7時(日本時間19日午前4時)まで、ガトウィック空港では午後5時(日本時間19日午前2時)まで出発を取りやめた。

 ドイツのフランクフルト国際空港(Frankfurt International Airport)は、17日に約1400便のうち560便が欠航した。18日は朝から滑走路が開かれたものの、約170便が欠航した。オランダのスキポール空港(Schiphol Airport)では、搭乗予定の便が欠航した約3000人が空港で夜を明かした。

 フランスの航空当局によると、18日に約60%の便に遅れが出たフランスのシャルル・ドゴール空港(Charles de Gaulle Airport)は、19日の午前8時~午後4時(日本時間同日午後4時~20日午前零時)に同空港を出発する予定の便の約4分の1が欠航となる見通し。

 ドイツの航空大手ルフトハンザ航空(Lufthansa)は、航空券で列車を利用できるとして鉄道の利用を勧めているが、ドイツ鉄道(Deutsche Bahn)は雪のためダイヤの遅れや運休の恐れがあるとしている。

■鉄道や道路も混乱

 ロンドンとパリ(Paris)、ブリュッセル(Brussels)を結ぶ高速鉄道ユーロスター(Eurostar)は速度を落として運行し、所要時間が最大で平常より約1時間長くなった。

 悪天候による交通事故も相次ぎ、英国全土で合計4人が死亡したほか、フランスのボルドー(Bordeaux)地方では、凍結した道路でコントロールを失った2台のバンにトラックが突っ込んで炎上したところに、さらにもう1台の車が衝突して、5人が負傷した。

■北アフリカでも

 北アフリカのアルジェリアも雪が降り、一部の主要道路が封鎖されたほか交通事故で2人が死亡した。同国北部のティジウズー(Tizi Ouzou)では30センチの積雪を記録し、停電や電話が不通になるなどの影響が出た。

 欧州を襲った寒波は徐々に南下しているが、今週も欧州大陸の広い地域で寒さが続くとみられる。(c)AFP