【8月26日 AFP】アルプス(Alpine)山脈の高峰モンブラン(Mont Blanc)の氷河の下の空洞に大量の水がたまり、決壊の恐れが高まっているとして仏当局は25日、標高3200地点で氷に熱湯で穴をあけ、たまった水をポンプで抜き出す作業を開始した。

 テートルース(Tete Rousse)氷河の下の「湖」には推定6万5000立方メートルの水がたまっており、氷によって大きな圧力がかかっている。決壊した場合、水は1時間半で近くのサンジェルベ谷に流れ込むと見られ、地元の町サンジェルベ・レ・バン(Saint-Gervais-les-Bains)のジャンマルク・ペイエ(Jean-Marc Peillex)町長は約900世帯に被害が及ぶと懸念を表明している。

 同地では1982年、同じように氷河の下にできた「湖」が決壊して洪水となり、土石流がビオネ(Bionnay)村を飲み込み、175人が死亡している。(c)AFP/Estelle Emonet