【8月22日 AFP】パキスタン政府は22日、洪水で壊滅的な被害を受けた南部から数万人を避難させたと発表した。一方、人口250万人の大都市ハイデラバード(Hyderabad)には被害は及んでいないと強調した。

 洪水対策の遅れをめぐり、被災者の間では政府への不満が高まっている。これまでに約1500人が死亡し、2000万人近くが被災した洪水の被害総額は430億ドル(約3兆7000億円)に上るとみられる。また、貧困層の被災者らの避難先は衛生状態も悪く、病気の流行が懸念される。

■IMFに融資条件緩和を提案か

 国際通貨基金(International Monetary FundIMF)は、週内にも米ワシントンD.C.(Washington D.C.)でパキスタン政府高官らと、農業や織物産業の中心地を襲った洪水からの復興計画について協議する予定だ。

 パキスタン側は、2008年から経済対策に使われてきた100億ドル(約8600億円)の融資の条件緩和を求める可能性もあると伝えられている。

 世界食糧計画(World Food ProgrammeWFP)は、洪水などで外部との交通が寸断された地域に食料を届けるヘリコプターが緊急に必要だと訴えるとともに、数百万匹規模の家畜にも被害が及んでいることから、飼料提供を求める緊急要請を開始したと発表した。(c)AFP/Hasan Mansoor