【8月18日 AFP】洪水で壊滅的な被害を受けたパキスタンのザミル・アクラム(Zamir Akram)国連大使は17日、スイス・ジュネーブ(Geneva)で記者会見し、国連を通した援助や、各国からの直接の支援額が3億100万ドル(約260億円)にのぼったと発表した。

 同国では、モンスーンによる豪雨で史上最悪の大規模な洪水が発生。村や農場、インフラ施設などが水に飲み込まれ、3週間で少なくとも1400人が死亡、2000万人が被災している。

 11日に国際社会に4億6000万ドル(約390億円)の緊急支援を呼び掛けた国連は17日、まだその40%しか集まっていないとして懸念を示した。

 世界銀行は17日、パキスタン政府へ9億ドル(約770億円)を融資することを決めると共に、パキスタン経済が受けた打撃は大きく、復興まで数年はかかるとの見通しを示した。また、国連が疫病や餓死による「死の第二波」を警戒するなか、アフガニスタン、トルコ、米国、サウジアラビアなども支援を申し出ている。

 日本政府は16日、1000万ドル(約8億5000万円)を上限とする緊急無償資金協力を申し出た。政府は3日に300万ドル(2億6000万円)の無償資金協力を決定していたが、被害状況を踏まえ、追加支援を表明した。

 うだるように暑いテント暮らしや路上での生活を強いられている被災者らは、政府の対応の遅さに怒りの声をあげている。複数のチャリティー団体は、パキスタンはテロ組織と関連があるとのイメージが一部にあることも、支援活動の妨げになっていると指摘する。(c)AFP/Emmanuel Duparcq