【8月11日 AFP】森林火災の被害が広がるロシアで10日、核施設を火災から守ろうと懸命の消火活動が続く中、「タフガイ」ウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)首相が飛行艇「Be-200」に乗り込んで消火活動を行った。

 モスクワ(Moscow)南部のリャザン(Ryazan)州は森林火災の被害が最も激しい地域の1つ。リャザン州を訪問したプーチン首相は、Be-200に乗り込み、付近の池から水を汲み取って、火災現場に放水した。

 国営テレビは、機体が池から上昇する中、ロシアの「タフガイ」がヘッドホンを装着して自信満々に副操縦士から操縦を受け渡される様子を放映した。放水後に、水がターゲットに命中したことを告げられると、プーチン首相は「命中したぞ!」と叫んだ。

■核施設も危機に

 一方、火の手はサロフ(Sarov)の主要核研究施設に迫っており、消火活動で兵士2人が死亡した。核施設で働く人びとも消火活動にかり出されている。

 約2週間続いている火災では、これまでに50人以上が死亡し、軍倉庫の一部が消失した。現在も火災は17万4035ヘクタールに広がっているが、当局は、消火活動の成果が出始めていると語った。

 ロシア非常事態省によれば、過去24時間に新たに発生した森林火災は247件、鎮火された火災は239件以上。現在も一帯では557件の火災が続いているという。

 また、モスクワ州森林局のSergei Gordeichenko局長が、火災発生中に休暇から帰ってこなかったことをドミトリー・メドベージェフ(Dmitry Medvedev)大統領に指摘された後に、解任されている。(c)AFP/Stuart Williams

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