【8月8日 AFP】インド北部のジャム・カシミール(Jammu and Kashmir)州のレー(Leh)とその周辺地域では7日も、豪雨による水害の救助活動が続けられた。

 レーに配備されているインド・チベット国境警察は7日、100人を救出したと発表した。別の警察関係者が匿名を条件に語ったところによると、死亡が確認された人の数は132人となり、さらに300人近くが行方不明になっているため、犠牲者は増えるとみられているという。一方、インドのテレビ局NDTVは少なくとも400人が行方不明になっていると報じた。

 レー近郊で最も被害が大きかったチョグラムサル(Choglumsar)の村では150人以上が行方不明になっている。6日未明、深さ2メートルにおよぶ土石流が被災地を襲った。レーにいたインドの国営放送ドアダルシャン(Doordarshan)の職員は「爆撃されたようだった」と振り返る。

■通信寸断で詳しい被害状況は不明

 インド政府は救援活動を強化している。空軍機が5度にわたり支援物資を運んだほか、レーの民間病院が土砂に埋まったため、軍の病院で民間の医師らが負傷者の手当てにあたっている。

 観光客の人気が高いレーには現在、外国人を含め約3000人の観光客が滞在している。現地の観光当局者によると7日深夜の時点で、外国人1人が軽傷を負ったという情報があるものの、外国人が死亡したという報告はない。しかし、通信が寸断された奥地の村に行っている観光客もいるため、状況がはっきりするまでには数日かかる見通しだという。

 大きなホテルで深刻な被害を受けたところはないという。民間の航空便も運航を再開し、一部の観光客はすでに被災地を離れた。

 レーにできたばかりのマーケットの店舗は臨時の遺体安置所になった。身元が分かり次第、火葬や土葬にしているという。(c)AFP/Manan Vatsyayana