【8月7日 AFP】インド北部のジャム・カシミール(Jammu and Kashmir)州のレー(Leh)とその周辺地域が、この地域としてはほとんど例がない豪雨による水害に見舞われ、6日までに少なくとも113人の遺体が収容された。さらに数十人が行方不明になっているほか、400人以上が負傷したと報じられている。

 多くの人が寝静まっていた夜間に突然洪水が発生した。標高約3500メートル、周囲を乾燥地帯に囲まれたレーで強い雨が降ることはほとんどない。州の観光相は「前例のない災害」だと述べた。

 6日には幹線道路が寸断されたため、レーは他の地域から孤立した。またインド空軍によると、軍が運営して民間機が利用しているレーの空港は滑走路が泥水に覆われた。現地のテレビは、倒壊した建物や切れて垂れ下がった電線、ひざまで泥水に浸かりながらがれきをかき分けて生存者を探す人々など、地震の後のような光景を放送している。

 ジャム・カシミール州はヒマラヤ(Himalaya)自然のなかでトレッキングなどのスポーツを楽しもうという外国人観光客の人気が高い。州観光相によるとこれまでに観光客が死亡したという報告はないが、寸断した道路に取り残された観光客を救出するため軍が出動したという。(c)AFP/Izhar Wani