【6月27日 AFP】大西洋地域の2010年ハリケーンシーズンで最初の名前のついた熱帯暴風雨アレックス(Alex)が現地時間26日夜、中米のベリーズに上陸した。

 米国立ハリケーンセンター(National Hurricane CenterNHC)は米南部メキシコ湾(Gulf of Mexico)の原油流出現場を直撃する可能性は低いとみているが、強い風と波で原油回収作業に影響がでる恐れもある。

 NHCによるとアレックスは日本時間27日午後零時現在、最大風速約26メートルで、ベリーズの都市ベリーズシティ(Belize City)の北西約30キロの位置にあり、今後メキシコ湾南部に入り、勢力を強めると予想されている。

 原油流出対策の指揮をとっている米沿岸警備隊のタッド・アレン(Thad Allen)司令官は、現時点では回収作業船を避難させる必要はないものの、天候はいつ変わるか分からず、アレックスが現場に接近すれば2週間程度は作業を中断する恐れもあると語った。その場合流出原油がすべて海に流れることになり、環境への悪影響が加速してしまう。

 ジョー・バイデン(Joe Biden)米副大統領は現地時間の29日に現地を訪問する予定。また、ジャネット・ナポリターノ(Janet Napolitano)米国土安全保障長官とキャロル・ブラウナー(Carol Browner)大統領補佐官(エネルギー・気候変動政策担当)も現地を訪問する。

 カナダのトロント(Toronto)では、20か国・地域(G20)首脳会議を前に、デービッド・キャメロン(David Cameron)英首相が就任後初めてバラク・オバマ(Barack Obama)米大統領と首脳会談を行った。英国側の発表によると両首脳は、原油流出事故を起こした英エネルギー大手BPは「強力で安定した企業であり続けるべき」という点で一致した。(c)AFP