【6月7日 AFP】英エネルギー大手BPは6日、米南部ルイジアナ(Louisiana)州沖のメキシコ湾(Gulf of Mexico)で爆発・水没した石油掘削施設から、日量で約1万バレルの原油を回収していることを明らかにした。米史上最悪といわれる今回の原油流出事故で、ようやく流出阻止の試みに大きな成果が出ているのではないかと期待が高まっている。

 BPのトニー・ヘイワード(Tony Hayward)最高経営責任者(CEO)は、英BBC)に対し、海底1600メートルにある流出源のパイプにはめた流出防止用キャップが効果を発揮しているようだと述べた。「キャップをはめたおかげで、1日あたり1万バレルの原油が海面に送られている」

 ただ、米政府の担当部局はBPが発表した推定回収量については同意できるとしながらも、それが全流出量の何%にあたるかについては言及を避けた。

 政府当局の見積もりでは、4月20日の事故発生以来の原油流出量は、1日あたり最大1万9000バレルに上る。流出原油の帯は半径320キロの範囲に広がり、数千もの細かな塊に分離しているという。

 動物への影響も深刻化している。政府当局者やルイジアナ州グランド・アイル(Grand Isle)で動物の救出にあたっている関係者によると、5日現在、「明らかに油まみれになった」鳥57羽の死体が発見され、156羽が保護されたという。(c)AFP/Allen Johnson