【6月4日 AFP】米南部沖のメキシコ湾(Gulf of Mexico)の原油流出事故で、長年石油探査の目的で用いられてきた深海ロボットが現在、新たな原油流出封じ込め作戦に「動員」されている。

 英エネルギー大手BPは3日、深海ロボットのアームに取り付けられたダイヤモンドカッターにより、破損した原油くみ上げパイプを切断することに成功したと発表した。現在、流出穴にふたをして原油を封じ込め、これらの原油を海上のコンテナ船にくみ上げるための作業が行われている。

 BPは4月20日の事故発生からこの6週間で、いくつかの原油流出封じ込め作戦を展開してきたが、ことごとく失敗した。前月末には、海底の流出穴に泥状の物質を大量に流し込んで原油流出を抑え込み、最終的にコンクリートで穴をふさぐという「トップキル」作戦に失敗したばかり。

 BPのトニー・ヘイワード(Tony Hayward)最高経営責任者(CEO)は3日、今回の新たな作戦について、成功の可否は「12~24時間以内にはっきりするだろう」と述べた。

 事故発生以来、少なくとも2000万ガロン(約48万バレル)の原油が海に流出したと見られ、原油流出事故としては米史上最悪となっている。(c)AFP/Celine Loubette